回路設計

アナログ回路におけるキックバックノイズについて

どうも、さわざわです。

今回はアナログ回路のキックバックノイズについて触れていこうと思うよ。アナログ回路において検証をしていて思ってたのと違う特性というか、なんかノイズが乗っているなってケースは非常に多いと思うんだけど、その中の要素の一つにキックバックノイズってものが考えられるよ。今日はそんなキックバックについて一例をさっぱりと触れていこうと思うよ。みんなも勉強していってねい。

この記事を読めば、アナログ回路におけるキックバックが特性に与える影響の一例と、その切り分け方法や対策について一部を理解できます。

キックバックとは

キックバックというのは回路のなにかしらの応答が出力だけでなく入力もとへと戻っていき、それがノイズのように見えることを指すよ。

何やら難しいことをいっているようだけど、例えば以下のようにコンパレータがあったとして、コンパレータ動作をする際に出力の反転が起きるとすると。そうしたら反転の瞬間に出力部の電位変動が起こるわけなので、この変動はCgdのカップリングを介して入力へと伝達されてしまって、仮にac結合していても元のバイアスに戻るのに若干のセトリングが発生してしまうよ。これを待たずに再度コンパレータ動作を行うと誤差、誤反転となりうると。

上記のようなスタティックなコンパレータなら高速でコンパレータ動作をしないかもしれないけど、以下のようなダイナミックコンパレータの場合は反転が起こる起こらないに関係なく1stの出力は大きな振幅を持ってしまって、加えて高速なコンパレータ動作を求められることも多いので、キックバックの影響がみられやすいっていえるよ。

上記はコンパレータの例に絞ったけど、このキックバックってのはアナログ回路において色んな場面で出てくるから注視が必要だよ。重要なのは、上記のようなCgdとかってのは最低限見えてしまうものなので、大信号応答を前提とするならキックバックが起こるかをケアしながら(どう抑えるか)設計する必要があるってことだね。

キックバックの切り分け方法

所望でない特性が出たって時にノイズの切り分け作業が始まるんだけれども、その中でキックバックか否かを判断する際の手法を紹介するよ。

他のノイズもいろいろあるって話が以下。
ノイズの基礎について
ソースデジェネレーションを用いた電流源とノイズについて
ノイズとミスマッチの計算について

一般的によく使われるのはゲイン1倍の理想的なバッファを挟んで特性の違いを確認するってことになるね。
これってあくまで理想素子なので、以下のように入力から出力には全く同じ信号が出されて、出力から入力には一切の信号を通さないことになるよ(つまりは回路としては実際には存在しない、切り分けだけのためのもの)。

これを有り無しで比較すると、出力から入力のキックバックの成分だけの差分が見えられるので、これでキックバックの影響なのが、定量的にどれくらい悪さをしているのかは大まかには判断することができるよ。ケースバイケースだとは思うけど。

キックバックの対策例

以下紹介以外にも選択肢はたくさんあるはず。

一つは上であったようにボルテージフォロワを挟むってことだね。上記と違って理想的なバッファではなくて、ユニティゲインバッファを挟んで入力から出力への応答を問題なく維持したまま、出力から入力へのキックバックを見せないようにする手法になるよ。

ただしきれいなユニティゲインを維持するって観点でも、キックバックへの変動を抑えるって観点でも、ボルテージバッファのゲインは高く設定する必要があるし、定電流源で動作する回路を増やすって意味では、面積的にも消費電力的にもペナルティは背負う必要があるよ。

もう一つはコンパレータ内にカスコードを挟むことで入力nchのCgdに見える振幅を小さく見えるってことかな。

これも言ってるだけ言ってるので実際どれくらいキックバックが減るのか、定量的な解析がどんなもんかはさわざわは分からないけど。

アナログ回路における容量については以下で少し触れてるよ。
アナログ回路における容量について考える

今日のまとめ、キックバックはしんどい。




今日はここまで、ほな。


雑談枠
キックバックっていうと、某アーティストの曲だったり某政治家の〇金キックバックだったりもっと強そうなワードが出てくるから、このサイトは埋もれちゃうのかしらねっつって。

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