どうも、さわざわです。
今回は以前に紹介したノイズ低減技術であるCDSを用いた際のフィルタ特性について触れていこうと思うよ。CDSってのはノイズを低減するうえでかなり有益であるってことを前回述べたと思うんだけど、周波数特性を考えた際にCDSを用いることでさらにフィルタ特性を持つとされているので、それについて深ぼっていこうと思うよ。みんなも勉強していってねい。
この記事を読めば、CDS読み出しを用いた際のフィルタ特性について理解でき、前回と併せてCDSの低ノイズ化技術についてより理解を深められます。
Contents
CDSの復習
CDSってのは前回はイメージセンサを主題において説明したけど、まあアナログ回路で広く使われている低ノイズ化技術なんだったね。これは2回信号をサンプリングして、kTCノイズなどを含めた2回どちらにも載っているノイズってのを差分を取ることでキャンセルするって手法だったね。

CDSでキャンセルできるノイズ、できないノイズってのは前回触れてみてるので、先に前回の記事を読んでおくことを勧めるよ。
→CDS技術を用いた際のノイズ低減効果について
一方で2回のサンプリングを行ってその差分を取るってやり方から、これはフィルタ特性として作用するんだ。これが非常に面白いし、より低ノイズに寄与してくれるので今回詳しく触れていこうと思うよ。
CDSフィルタの特性
ランダムノイズのような時々刻々と変化するノイズを考えよう。これは熱ノイズだったり1/fノイズだったりあるんだけど、以下のように様々な周波数のノイズが混ざってるよ(特に低周波帯は1/fノイズが支配的だったね)。
以前までのノイズの記事については以下の記事を読んでみてねん。
→ノイズの基礎について
→ノイズの無相関と有相関について
→kT/Cノイズとノイズ帯域幅について

んでCDSでは2回サンプリングしてその差を最終的に読み出すとして、そこにもランダムノイズってのはどちらにも等しくのってくるんだわ。ところが2回のサンプリングの間に時間差があるわけなので、必ずしも同じノイズ振幅を捉えているとは限らないよね。

より詳細にいうと例えば以下のようなある周波数のノイズがあったとして、CDSの2回のサンプリングのタイミングは決まっているとしよう。そうするとその差分だけはCDSの結果としてノイズが出てくるってことになるね。

CDS周波数を一定に考えたときに、じゃあ仮に2回のサンプリングの周期とノイズの周期がちょうど一致していたとしよう。そうすると↓のようにきれいに同じ電位をサンプリングすることになるので、このランダムノイズは完全にCDSされてキャンセルされることになるんだね。

もうちょっと例を挙げていくと、CDSの周期(周波数)に対してノイズの周波数がその半分だった場合。これはノイズのピーク~ピークまでをサンプリングすることがありえるね。つまりノイズはほとんどキャンセルされないケースがありえると(むしろ増幅)。

それよりもノイズの周波数が小さくなっていくとノイズのキャンセルはしやすくなっていって、例えば以下のようにほぼdcに近づくとほぼキャンセルできるよ。なのでfCDS/2より低周波になるほどキャンセルされるようになるんだね。

一方でサンプリングの周波数より高周波になっていっても、基本的にはノイズの周波数がCDS周波数の倍数であればキャンセルできるはずなんだけど、極一点だけしかキャンセルポイントが存在せずちょっと周波数がズレただけで直ちにノイズをキャンセルできなくなるので、ほぼほぼCDSは効かなくなるんだね。

まとめると以下のようにCDS周波数fCDS/2より低周波であればおおよそノイズを低減できるんだけど、それより高周波になっていくとあまりキャンセルできないような特性になるね。なのでCDS読み出しをするだけで、あたかもハイパスフィルタと等価の特性になるんだ。

つまりは↓で示しているようにCDS読み出しを行うことで、あたかもHPFと同じ特性が得られるんだね。これっていうのは低周波で支配的な1/fノイズを除去するのに非常に有用なんだね。

全体のフィルタ特性
ここでCDSをコンパレータやS/Hで行うにせよ、イメージセンサようにデジタルCDSで行うにせよ、アンプなどの出力などには必ずLPFの帯域が生まれるんだね。というかどこにでも生まれるかね。

イメージセンサの場合はコンパレータの出力にあえて容量をつけて帯域を狭めることで高周波の熱ノイズを落とすらしいけど、さっきのCDSフィルタと合わせると以下のように低周波側にはHPFがあって、高周波側には何かしら支配的なLPFの帯域がかかっているバンドパスフィルタのような特性になるんだね。

これは読み出したい信号がフィルタにかからない前提であるけど、よりノイズを減らしたい場合にはLPFのカットオフ周波数を下げてくるか、HPFのカットオフ周波数を上げていく2択があって前者は負荷容量などをつければいいだけの話だけど、後者はCDSのサンプリングの感覚を短くするほど高周波に上がっていくんだね。

特に1/fが支配的な周波数領域を丸々カットできればトータルのノイズも大きく減らすことができてお得なんだけど、以前に話したように2回目のサンプリングでは実際に読み出したい信号が入っている必要があって、たいていそのセトリングがかかってそこでCDS周波数が律速するってことになるかな。
今日はここまで、ほな。
雑談枠
ここ1,2年で花粉に順応し始めてて食物連鎖ピラミッド、また上がっちまったってわけ。嗚呼負けてぇ~(こんなこと昔も言ってたな)。
おすすめ書籍紹介(Amazonに飛びます)



Design Of Analog Cmos Integrated Circuit , 2Nd Edition
(↑の原版のIndian版(英語)で2ndからは訳書にない新内容有り、ペーパーバックは安め。英語に抵抗ない方はこっち買うほうが内容的にも値段的にもお得)

Analog Integrated Circuit Design
(網羅的かつ設計観点で深めに学べる印象なのにわかりやすく書いてて初級向け、演習も易しめで取っつきやすい。ただハードカバーのため高い、、)

CMOSアナログ回路入門: LSI設計者のための (半導体シリーズ)
(初学者向け。実用的な内容もあるがあまり深ぼらないので、あくまで勉強するきっかけを作る本な気が。)
Xアカウント
https://x.com/swzw6112
–お問い合わせ–
以下よりお願いします。