どうも、さわざわです。
今回はネガティブフィードバックについて、基礎的な部分を触れていこうと思うよ。ネガティブなフィードバックをかけるって、初見だと直感的には反するような気がするけど、アナログ回路設計において欠かせない技術となっているよ。この技術を用いることでどういった効能があるのか、みんなも勉強していってねい。
この記事を読めばネガティブフィードバックを用いることの効能について、基礎的な観点をつかむことができます。
ネガティブフィードバック(NFB)とは?
まずはネガティブフィードバック(NFB)ってなんだって話から。こういう時はブロック図を用いるとわかりやすいね。
今まで扱ってきたようなソース接地回路とかもそうだけど、単純に入力からゲインをかけて出力してそのブロックの役割は終わり、これは出力から入力へのフィードバックがかかってないわけで、こういう時のゲインをオープンループゲインって呼ぶよ。
ここで入力から出力にかけてAのゲインをかけて増幅して出力できて、その出力からまたβのゲインをかけて今度は減衰させて入力から引く、っていうような以下のブロック図に変えたとしよう。そうすると入力がそのままゲインがかかるわけでなく、出力から一部引かれた状態でゲインがかかるわけなので、最終的な出力値が下がることが定性的に想像できるかな?
ここで入力に対して差し引かれるようなフィードバックを出力からかけることから、NFBって呼ばれるよん。
これはループのフィードバックがかかってるわけでクローズドループゲインって呼ぶよ。ブロック図からゲインを出すと、上記のように確かにNFBによってオープンループよりゲインが減衰していることがわかるね。
でもゲインを下げて何が良いんだって感じだよね。次項ではNFBの効能を考えていくよ。
NFBの効能①―利得の安定化―
まずはNFBを用いることで利得に対するプロセス起因などのばらつきを抑えやすくなり、利得の安定化を図れるよ!
例えばオープンループの場合って入力から出力へゲインをかけるだけなわけで、言い換えればゲインに非常に敏感なシステムなんだね。
当然回路の中身はトランジスタとかアクティブ素子とかで構成されてるわけだから、PVTによって影響を受けてゲインは大きくばらつくんだね。例えばゲインが平均より10%だけ下ぶれてしまうと、その影響を直に受けると。
これをNFBにしてクローズドループゲインに微分して計算していくと以下のようになるよ。ここでオープンループゲインでのばらつきに対して、クローズドループゲインではばらつきを1+Aβだけ抑えられていることになるよ。
なのでゲインの絶対値を下げているわけだけど、同時にそのばらつきのような相対値も下げることができているんだね。
NFBの効能②―広帯域化―
二つ目は広帯域化で、これが非常に効果的だといえるよ。今まで記事にしてきたけど、オープンループゲインも当然以下のように周波数応答を持つよ。
これをクローズドループゲインに代入していくと、ゲインは1+Aβだけ減衰される一方で、帯域は1+Aβだけ増幅されていることがわかるね。
グラフにすると以下のようで、NFB無しのグラフに有りのグラフが含まれてるからなんだか旨みがわからないかも。
でもこれはブロック単体で見たらそうなるだけで、dcゲインってのは同じブロックを多段構造にしたらそれだけ稼げるんだね。一方で周波数の帯域は増やすことってかなり難しいんだね。
もちろん2段にしたら消費電流が2倍になっちゃうけど、固有利得だけ考えても帯域を10倍増やすには電流を10倍かける必要があるわけだから、そう考えるとNFBで帯域を伸ばしてから多段にしてdcゲインを実現するのは非常に効率的といえるんじゃないかな。
良ければ以下の記事も参考にしてみてね!
→固有利得について_dcゲイン調整と周波数応答
NFBの効能③―入出力インピーダンスの調整―
NFBをかけることで、入出力インピーダンスを調整することもできるよ。例えば以下の回路、NFB無しと有りで比較すると、1+Aβだけ入力インピーダンスが小さく見せられていることになるよ。
NFB無し
NFB有り
これは入力ノードに対して並列に帰還をかけている(電流でNFBをかけている)からで、機関の構造の組み方によって変わってくるよ。めちゃくちゃザックリまとめると以下のようになっていて、でもこれは出力ノードに対して帰還の回路が負荷にならない場合の近似式だよ。
この近似から外れるケースは多々あるけど、いずれにしてもNFBによって入出力インピーダンスが変わることは考えないといけないね。
特にNFBを用いると今まで出力インピーダンスだけ考えればよかったところに、そのブロックの入力インピーダンスが並列に見えることには注意が必要だよ。
次回予告
NFBの効能は今回分かったと思うけど、NFBを扱うにあたって非常に重要な考え方があるよ。それが安定性で、フィードバックが誤ってかかってしまうと帯域を広げることはおろか、最悪回路が発振を起こしてしまい使えなくなっちゃうこともあるんだね。ここらへんを次回に触れていこうと思うよん。
今日はここまで、ほな。
雑談枠
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