どうも、さわざわです。
今回はソースフォロワについて触れていこうと思うよ。ソースフォロワは出力が入力を追う、つまりフォローする回路で、バッファだったりレベルシフタとして用いることがあるよ。結構使い勝手のいい、アナログ回路のいたるところにつけられるような回路だと思うのでみんなも勉強していってねい。
この記事を読めばソースフォロワの基本的な特性と基板バイアス効果を考慮した小信号等価回路について理解できます。
ソースフォロワの回路図
ソースフォロワの回路図は以下のようになってるよ。いったんは、負荷に線形抵抗を置いているよ。これはドレイン設置回路ともいわれていて、ソース接地回路と若干似ているけど、入力デバイスが電源側のnchになってるいてドレイン側がac的に設置されているところが大きく違うね。ちなみに入力デバイスをgnd側のpchにするpchソースフォロワもあるよ。
基板バイアス効果を考慮した小信号等価回路
ではこの小信号等価回路はどんなようになってくるかだけど、その前に基板バイアス効果について考えよう。基本的にMOSは4端子で制御するデバイスで、ゲート、ドレイン、ソース、ボディがあって、基本的にソースを基準にゲートだったりドレインだったりボディだったりにどれくらい電圧がかかるか、VgsやVdsやVbsなんて表したりするよ。んで、基本的にnchはボディをgndに落としとくことが一般的だよ。
ちなみに小信号等価回路の基本的な考え方は以前の記事を参照してねん。
→ソース接地回路について_小信号等価回路を理解しよう編
でも今回のソースフォロワみたいにソースの電位が変化する場合は、基準がずれるって意味なので相対的に他のバイアスが変動することになるよ。もともとソース接地でもVgsやVdsは変化していたからいいとして、このような場合はVbsも小信号モデルに出てくることに注意が必要だよ。
すなわち今回の場合、このnchは以下のような小信号等価回路で表すことができて、このVbsはソースがVoutだけ変化するわけだから、Vbs=-Voutで表せることになるよね。また、ここで出てくるgmbはボディコンダクタンスというもので、だいたいgmの0.2倍くらいの値といわれることが一般的だよ。
ソースフォロワの小信号等価回路と伝達関数
では以上をもとにソースフォロワの小信号等価回路を考えると、どうなるだろう?
これは出力抵抗にnchのroが入るけど、これはgmやgmbに逆数に対してはるかに大きいとして最初から考えないとするよ。
じゃあ小信号等価回路は以下のようになるね。ソース接地と比べてVoutの位置が違うね。voutのノードからキルヒホッフの電流則で計算してみると、Vgsは(Vin-Vout)、Vbsは-Voutになることに注意すると、以下のように伝達関数が出せるよ。ここで、ゲインが正の値でかつ1より小さいことが特徴だよ。つまり、入力に対してゲイン分だけ減衰された信号が取り出されることになるね。
ただソースフォロワの役割としてはできるだけ入力信号をそのまま出力で出したいので、このゲインを上げるにはどうしたらいいか。
一つは今見えてるRsを無視できるようにすることで、ここをゲートバイアス固定のnchとかを置くことで、理想的な定電流源として扱えるようにして、出力抵抗として無視できることになる。そうなるとgmとgmbだけが残りゲインはこうなるね。gmbがgmの0.2倍くらいなのでゲインは0.83倍とかになるね。
理想的なソースフォロワにするには?
ではゲインをどうしても1にしたい場合、つまり入力信号をそのまま取り出したい場合はさらにもう一工夫するよ。
それはセルフバイアスといって、以下のようにnchのボディをソースとショートさせることだよ。これによってソースとボディは同じ変化をすることになるから相対的にVbsは変化せず、基板バイアス効果を見えなくすることができるんだ。
これによってgmbは消えて、ゲインはようやく1になる。ただnchの場合は基板がp基板でチップ全体の基板につながっていて、一つだけボディのバイアスを自由に変えられないことが多いんだ。だからディープn-wellといって、もう一層ウェルをはさんだうえでボディにバイアスをかける必要があって、これは回路面積が増加することがペナルティにあるよ。
ちなみにp基板の場合pchは自由にセルフバイアスできるから、pch入力のソースフォロワが使われることもあるよ。
今日はここまで。ほな。
雑談枠
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